今期で最後、ブラジル トミオフクダ DOT

こんにちは、喫茶路地です。

店主からの久々の投稿となる今回は

今月のレギュラー銘柄“ブラジル トミオフクダ DOT”についての

お話を少し。

こちらは知名度もありご存じの方も多いかと思いますが

日系2世のトミオフクダ氏が農園主として約20年続く

バウ農園で生産している唯一無二で普遍的な存在の銘柄で、

DOT(Dry on tree) というのは“樹上完熟”という

その名の通りコーヒーチェリーが完熟し乾燥するまで収穫せず、

ぎりぎりまで木の養分を行き渡らせてから摘み取る手法を採用しています。

また、いくつかあるトミオフクダ氏の農園で栽培される品種のうち、

今回は深煎りにしても味の輪郭がぼやけず、

厚みがある味が表現できるムンドノーボ種をご提供。

コーヒーの生産量全体の60-70%を占める

アラビカ種(なんと、200種以上も存在します)の中でも

ムンドノーボは比較的原種に近く、

味わいが良いとされています。

わたしが密かにお手本にもさせていただいている

地元・岡山の名店のマスターもずっと焼かれていた銘柄。

そんな個人的にも想い入れのある銘柄なのですが、

かの農園では今季でDOTの生産区画を手放すことになるそうです。 

理由は通常よりも木の負担が大きく、収穫後2年間は十分な収穫が

できないなどの生産性の問題、もともと土壌が強酸性であり

中和にコストが掛かる点など、他にも色々なことが複合的に絡んでの

決断との事だそう。

今季の仕入れはさすがに高くなってきてましたが

それでも品質から考えるとこの値段帯で飲めるのは個人的に

すごいことだったと思っています。

コーヒーの内側の者として一つの時代を終える感じがしています。

しかしながら同時にトミオフクダ氏の手掛ける別農園の

プロジェクトもスタートしており、バウ農園のDOTに代わる魅力的な

銘柄をこちらでもまたご案内できたらなぁと思っています。

この銘柄は今月、喫茶でのご提供と店頭・オンラインショップで

豆の販売をしていますが在庫から予測して4月下旬くらいまでの予定です。

興味のある方やお好きな方は、是非、飲み納めてくださいね。