淵ト瀬_湯の山温泉

湯の山温泉のコーヒースタンド 淵ト瀬さんへ

先日、お店を一日お休みいただきまして、三重県菰野町の湯の山温泉街にあります“淵ト瀬”さんというお店に伺ってきました。以前このブログでもご紹介させていただいた珈琲豆を取り扱いいただいてますお店さんです。

大阪から車で2時間~2時間半程度。新名神高速道路の菰野ICが開通したので温泉街までアクセスが良くなりました。電車でも近鉄大阪難波駅から特急を利用して湯の山温泉駅まで 約2時間半。そこからバスがタクシーを利用して10分程度です。

今回は車で伺ったので菰野ICを降り少し山道を走ると突然、昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな温泉街が現れます。その一番入口に近いところ、丁度渓流沿いに佇む建物がお目当ての淵ト瀬さんです。

淵ト瀬_外観

川の流れが緩やかで水深の深いところを「淵」、 流れが速く水深の浅いところを「瀬」 といい、店名の由来となっているそうです。

今回は日帰りでなく淵ト瀬さんのすぐ奥に位置します鹿の湯ホテルさんに宿泊しました。客室からは青々とした山々が望めとても素敵な旅館でした。今回は女将さんと淵ト瀬さんご夫妻が知り合いということもあり、特別に旅館で夕食をご一緒することができました。実はこちらの旅館はお料理がすごく美味しく、ミシュラン2つ星だそうです。でもそのことを全然推していないのが老舗の風格なのでしょうか。そう言っておきながらすみません、写真は撮り忘れてしまいました…。気になる方が是非、訪れてみてください。

鹿の湯ホテル_喫茶路地

さて、今回は淵ト瀬さんの定休日にも関わらず快く迎えていただきお店の改装のことや今後の展望もお聞かせいただけました。お店の改装は知り合いの元大工さんにアドバイスをもらいながらほぼ自力で完成させたそうです。建物の外観自体は大正時代からそのままのようで元々は1階が売店、2階が温泉街に来る団体客を乗せたバスやタクシーの運転手向けの簡易宿として使われていたそうです。その後、住宅用としてのリフォームを経て今のお店へとリノベーションされたそうです。一度、住宅用としてリフォームされた為、昔の様な雰囲気を出すのに苦労されたそうです(昔の姿は外観しか分からないそうです)。壁や天井をはがし解体するところから始め、足元は温かみのある木材、壁は漆喰を施されたそうです。さらに建具などにはあえてエイジング加工を施し全体のトーンを合わせるなど店主のこだわりが詰まった空間です。

淵ト瀬_店内

店内で一番人気の席は一番奥の角席。ここに座ると眼下には渓流が、そして心地良い渓流のせせらぎのBGMがたえず流れています。ここで読書にふける方も多いそうです。そんな贅沢な時間がここにはあります。

淵ト瀬_渓流_せせらぎ

贅沢にも誰もいない夜の店内にも入らせていただきました。道中、温泉街の外は静寂。店内で聞こえるのは渓流のせせらぎのみ。

淵ト瀬_夜の店内

写真はありませんが現在は使用されていません二階部分も特別に見せていただきました。このフロアはどうやら住宅用リフォームがされていないかった様で当時に原型に近い姿の様です。今後はアートに携わる方に有効利用してもらうそうで準備を進めていくそうです。

お店は現在、週末営業で金・土・日・祝10:30~17:00(+金・土19:00~22:30)

コーヒーの他、季節のドリンク、焼菓子、food、アルコール、おつまみあり。どれも手の込んだこだわりの逸品です。お店のインスタに写真も載ってますので是非チェックしてみてください。@fuchi_to_se

車でお越しの際は湯の山パーキングセンター(無料)をご利用ください。

今回色々とお話しを伺う中で、淵ト瀬ご夫妻の湯の山にもっと活気取り戻したいという想いが強く伝わっていきました。実はここ湯の山温泉は「第3作男はつらいよ フーテンの寅」のロケ地でもありましてその当時はものすごい人が押し寄せた場所らしいです。“温故知新”という言葉が適切かはわかりませんがこの温泉街に風穴をあけていきたいとのことです。淵ト瀬さんが以前のお店・カフェコブ時代から企画・実施されていますイベント“湯の山温泉納涼盆祭 御縁日”、ちょうどこのブログを更新している今まさに開催されています。こちらのイベントもそうした取り組みの一つだそうです。

平成が終わり令和にも入り、ますます自動化・効率化が進む時代ですが、こうした取り組みを見たり聞いたりしていますと、人を動かす根源はやはり「人」なんだと再認識させていただきました。ありがとうございました。